★2012年8月、およそ6年ぶりに中国上海に帰ってきました!このブログは「AZU」が綴る、上海(サンヘー)滞在記録。ワクワクの上海生活、まるごとお届けします。ほらね、生きてるってこんなに可笑しい★


by azu-sh
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アラームは校庭の国歌?<中国ホームステイ⑬>

 サンへーパパの家がある小さな団地は、東側が公園、西側が小学校にはさまれている。そして二十ウン年前からここに住んでいるパパは「うちの息子もここの小学校に行ってたんだよ」というジモティーである。
 あづの住む子供部屋は西向きなので、窓の向こうは小学校。高い塀があるから中の様子はちっとも見えないけれど、大音量の音楽や叱り声、笑い声なんかはばっちり聞こえてくる。どこかの教室で音楽の授業が始まると、あづはちょっとうれしくなる。先生の弾く伴奏に合わせて聞こえてくる子供たちの元気な歌声。日本の子供たちもよく知っているメロディーに中国語の歌詞が乗る。パートを決めて合奏しているのだろうか、セサミストリートで聞くようなアメリカ民謡が聞こえてきたのもほほえましかった。
 しかし、部屋の裏が小学校で何がつらいかといえば、けたたましい音量で行われる毎朝の朝礼である。中国も日本も関係なく、これは小学校の近所に住む者の宿命だろう。中国の場合、朝礼といってもメインイベントは国旗掲揚であり、全校生徒は右手を頭の高さに挙げたままこれを見守るのである。中国国歌が流れる中を国旗が揚げられていくのだが、時々この国歌が鳴り止まない時がある。様子が見えないから想像することしかできないのだが、たぶんふざけていた子供でもいたのだろう。まず男の先生の怒鳴り声が聞こえ(地声で十分大きいのに拡声器を使うから半径二百メートル以内のご近所に丸聞こえと思われる)、もう一度国歌が始まる。今度は全員が声を出して歌う。しかしそのうち再び先生の叱り声が聞こえ、また前奏が始まり、今度は拡声器を持たされた子供が情けない声で国歌を歌い始める。こうして何回も何回も国歌が流され、あづの寝起きの頭が星でいっぱいになった頃、突然朝礼は終わる。景気のいいマーチに合わせて子供たちが行進しながら校庭から退場、教室に戻って一時限目となる。

 わたしは中国の小学生と話をするのが好きだ。これまでに仲良くなった上海の子供たちはみんなびっくりするほど考え深く、物知りで、自分の考えをきちんと表現できる。
 そのうちの一人、上海市郊外に住む小学校五年生の宋(ソン)くんはあづの一番の遊び相手である。「将来は日本に行って吉本興業を目指したら?」と思わず勧めてしまったほど、お調子者でひょうきんなムードメーカー。彼の家族と一緒に食事をすると(台所に立つのはやはりお父さん)、本当に笑いが絶えない。食事中ひっきりなしにクイズが出されるのであるが、それが「ナントカというデジモンが進化すると何になるか?」という類のものばかり。不覚にもテレビを見て予習してしまい、デジモンたちの中国語名を覚えてしまったあづであった。
 中国の子供たちは一人っ子ゆえに甘やかされて「小皇帝」と呼ばれ、オトナたちの期待を一手に背負い、他の子より抜きん出るために幼い頃から勉強漬けにされ、やってもやっても終わらない量の宿題と毎晩格闘しなければならない、と言われる。でも「中国の子は」「日本の子は」と定義づけなくても、子供の心の世界に国境はない。みんなアニメが好きでおもちゃが好きで、叱られたりほめられたり悩んだり転んだりしながら育っていく。
 裏の小学校から聞こえてくる澄んだ歌声は、あづをいつもあの頃の自分に戻らせてくれる。あの頃の大切な夢に、今のわたしは近づいているのだろうか。
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by azu-sh | 2006-04-20 02:52 | 「あづ」の中国ホームステイ