★2012年8月、およそ6年ぶりに中国上海に帰ってきました!このブログは「AZU」が綴る、上海(サンヘー)滞在記録。ワクワクの上海生活、まるごとお届けします。ほらね、生きてるってこんなに可笑しい★


by azu-sh
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跳ね上がった新居の値段 <中国ホームステイ⑰>

 あづのホームステイ先のお嫁さんに赤ちゃんが生まれることになった。お嫁さんはあづよりほんの少し年上で、わたしは「ジエジエ(中国語で“お姉さん”)」と呼んでいる。ジエジエは結婚前、ホテルの厨房に勤めていた。見習いコックとしてコースメニューの前菜調理を担当していたのだという。あづの知り合いで料理の得意な上海人女性というと、ジエジエくらいしか思い浮かばない。上海では、台所に立つのは主に男性なのである。
 そのジエジエが自ら腕によりをかけて春節の料理を作ってくれるという。
「あづはまだあたしたちの新居に来たことがなかったよね。春節二日目は(サンヘー)パパの家でパーティーでしょ、じゃあ四日目はあたしたちの新居でパーティーしない?あづの食べたことのない中華料理、いっぱい作るから。正月四日目の晩は爆竹と花火で盛り上がらなきゃね!」
 中国では春節(旧正月)の時期、国全体が一週間の休みに入る。普段は共稼ぎで働いているジエジエとサンヘー息子も、そしてもちろんあづも仕事が一週間お休みになる。
「うん、新居見てみたい!行き方教えて!」

 正月四日目、あづはサンヘー息子の新居にお邪魔した。サンヘーパパの家からバスで一本。住所を書いたメモを手に、あづは団地の中をぐるぐる回った。似たような団地が何棟も何棟も限りなく続いているので番地を探すのも一苦労。すれ違った住人らしき人に聞いても、なぜかみな自分の住んでいる棟の番号しか知らないのだ。やっとの思いで探し当て、サンヘー息子が新居を構えた四階の一室にたどりついた。ここは既に郊外になるのだろう。あたりに高い建物がなく、四階の窓からははるか遠くの方までぐるりと見渡せる。
 団地の外観はとても豪華とは言いがたかったが、室内の内装にはさすがにお金をかけていた。中国の古いアパートほど、このようなびっくり箱のような家がたまにある。築数十年、既に塗装の剥がれたオンボロ団地なのに、一歩中に入ってみると豪邸のような内装だったりする。使いやすいキッチン、最新式の音響設備、品のいいふかふかソファー、若者らしい家具のチョイス。上海人は“外側”ではなく“内側”に見栄を張る。大半の日本人と逆だ。「すごーい、豪華内装だね!」思わず感嘆の声を上げてしまったあづであった。
 「この家を買った時、60万元(約840万円)のローンを組んで購入したんだ。でもあづ、信じられるか?あれからまだ二年しかたってないのに、今ここを売ろうと思ったら倍の120万元(約1680万円)の値がつくんだよ。上海の不動産価格の高騰は想像以上だったよ」とサンヘー息子。すかさずジエジエが言う。「そのせいであたしたちいつも喧嘩になるの。どうしてあの時二件買っておかなかったのかって。この人、先見の明なんか全然なかったんだから。あの時二件買っておいて今頃そのうちの一件を売り飛ばしていれば、ローンだって払えたのよ!」また言い合いが始まりそうになったので、サンヘー息子はあわててあづに目くばせした。「だ、だからねあづ、せっかく上海で働いているならマンション買っておくといいぞ。自分が住まなくても投資用と思えばいいんだ」
 最近上海の不動産価格は下落気味とも聞くが、場所によってはまだ上昇中なのだ。サンヘー息子たちも、今後もうしばらくはこの話題で口喧嘩の花を咲かせるのだろう。

 プリプリと怒るジエジエがキッチンに入っていく。リズミカルな包丁の音、ジュージュー油のはねる音。そしていつしか、おいしそうな香りが部屋中に漂ってきた。
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by azu-sh | 2006-06-01 08:05 | 「あづ」の中国ホームステイ