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上海っ子AZUが早朝に見る夢の跡。


by azu-sh
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病院に行った

 昨日、病院に行った。半月ぶりにピアスをつけたのに、病院に行こうとソファから腰を上げるまで三時間かかった。
 例の“あるがまま”老医師は休みだったので、別の若い女性の先生に診てもらった。少し問診をして、わたしの様子を観察した医師は「今日から入院してもらいます」と言った。優しい声で「ほら、この病棟の後ろには新築のとってもきれいな入院棟があるのよ。目をあげて見てご覧なさい。窓の向こうに見えるあの建物よ。きっと気に入るわ」。
 あづは目をあげなかった。両目から涙があふれてきて、ぽたぽたとTシャツに吸い込まれていった。「我不要住院,不要住院……(入院はイヤ)」しゃくりあげながらそれだけ言うと、「でもね、今のあなたは入院しないと危険なの。病室はとてもきれいだし入院費だって日本ほど高くないはずよ」と医師。
 あづは日本で精神科病棟に入院したことがあった。恐怖だった。悪夢だった。
 医師はわたしの涙ではびくともしない。「入院してくださいね」消え入りそうな声でわたしは聞いた。「住几天(何日入院するんですか)?」「それはあなた次第よ」

「先生はね、国慶節の後もあなたに生きててほしいの。入院をそれほど嫌がるんなら来週あなたがわたしに会いに来てくれる?会いに来ると約束してくれる?」
「会来的…(来ます…)」
 あまりに小さい声だったから「那我不相信你(そんな声じゃ信じられないわ)!」と言われた。医師はわたしと握手しようと手を差し出してきた。「一言为定,下周你一定来看我,握握手吧(約束よ、来週必ずわたしに会いに来ること。さぁ握手して)!」

 …握手できなかった。医師は顔をしかめた。相変わらず下を向いて「我没事的,会来看你的…(平気ですから)」とつぶやき続けるわたしに、医師は「じゃあ、わたしの目を見てそう言いなさい。さぁ、もう一度言ってみなさい」。
 三週間で二回も自殺未遂をして、体はボロボロになっている。医師は部屋を出て、廊下で待っていたわたしの上司に入院手続について話に行った。いやだ、入院なんていやだ。

 戻ってきた医師に聞いた。
医生,为什么不能死?(先生、なんで死んじゃいけないの?)」
 逆に問われた。
你为什么想死?(あなたはどうして死にたいの?)」
 気の利いたことが言えない。
活着太辛苦…(生きてるのがしんどいの…)」

 入院したらブログが書けない。本当はそれが一番寂しい。
by azu-sh | 2006-09-22 21:17 | 「あづ」の一筆コラム