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上海っ子AZUが早朝に見る夢の跡。


by azu-sh
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お祭り会場でなんちゃってバイト!

 今、わたしの住む街ではユニークなお祭りの真っ最中。毎年この時期になると思い出すのですが、わたしはイベント会場で単発のバイトをしたことが何回かあります。そういえば日本でも上海でも…。
お祭り会場でなんちゃってバイト!_b0074017_1401135.jpg

 それは上海在住中のこと。運転免許の更新のために日本に一時帰国をしなければならなかったわたしは「せっかく日本に帰るんだからバイトしたいな」と考えていました。でも何しろわたしの実家は小さな地方都市、何か盛大なイベントでも重ならない限り、短期バイトの募集なんてありません。そこでわたしは街でお祭りをやっている時期に合わせて帰国することにしました。実家に着くとすぐに求人誌で仕事を探し、お祭り会場での五日間のバイトに応募しました。わたしがありついたのは的屋(てきや)でのバイト。もしかしてそっち系のヒトがやってるのかな…と一瞬思いましたが、上海暮らしで度胸が据わっていたわたしは何の不安もなく、お祭り会場に行きました。最初はお面やおもちゃを売る出店の店番をしていたのですが、これが全然おもしろくない。「焼き鳥のほうやらせてください」と、初日から焼き鳥屋に移動しました。
 「らっしゃい、らっしゃい、おいしい焼き鳥どう?」大きな声を張り上げて、行き交う人を呼びとめ、売り込みをしていたら、「ねえちゃん!日本語上手だねぇ!どこから来た?」とお客さん。「上海です!」とわたし。「そうかい、いやぁ、日本語上手いねぇ!がんばれよ!」「はい!ありがとうございます!」
 しばらくしてから気づきました。確かにわたしは上海から来たけど、この街で生まれた日本人じゃないのか?何を勘違いしてしまったんだ?いや、その前になんで「日本語が上手」ってほめられたんだ、わたし?
 すごく楽しいバイトだったけど、だいぶ中国人化してる自分に気づいて複雑になったあづでした。


 そして上海でやった単発のバイトとは…。上海・南京西路の角に大きなビルが建ち、そのオープン記念のイベントでのこと。中国人グラフィックデザイナー、高(ガオ)さんから電話がありました。 
 「あづにお願いがあるんだけど、今度南京路で若者をターゲットにしたイベントをやるの。集まった人たちに真っ白いスニーカーを渡して、自由にペインティングしてもらうのね。優秀作品を表彰するんだけどその審査員をやってほしいの。」
 美術方面は疎いんですけど…と断ろうとしたら、「あづは日系の広告デザイン会社で働いてるじゃない。大丈夫、実際に審査をするのはうちのイベントスタッフだし、あづはハクをつけるために呼んだ来賓みたいなものだから何にもしなくていいのよ」
 そして当日。南京路の一角がストリート系の若者や美大生?たちで埋め尽くされ、イベントが始まりました。いろんなプログラムがあったらしいのですが、何も聞かされていないわたしはロックのリズムに乗ってはしゃぎまわる中国の若者たちをきょろきょろ観察するので精一杯。よく見ると、スニーカーに一生懸命色を塗っている人たちも。出来上がった作品から一斉に展示され、審査が始まったようです。わたしは自分が何をしたらよいのかわからず、ステージの隅でぼーっと立っていました。すると突然のアナウンス。
 「スニーカーアートの受賞者が決まりました!第三位はエントリーナンバーXX番、○○さん!…」
 審査員やってくれって呼ばれたのに、いつのまにか順位決まってるじゃん。わたしがむくれていたその時!
 「この栄えある受賞者に賞状と記念品を渡してくださるのが、なんとこのためにわざわざ日本からお越しいただいたデザイナーのあづ先生です!どうぞ皆さん盛大な拍手を!」
 (ナニィ?!) 頭が真っ白になったハッタリデザイナーのあづは、集まった群衆の熱いまなざしと拍手の中、おずおずとステージの中央へ進み出、一位から三位までの人たちに無言で賞状を渡したのでした。
 イベントが終了すると、高さんがのんきな顔でやってきて「あづ、いい感じだったわ。はい、コレ今日の出演料ね~」手渡されたのは200元(約2500円)でした。日本からわざわざやって来たのに?!(笑)

 以上、秋になると思い出すお祭りバイトの思い出でした。
by azu-sh | 2010-11-05 01:44 | 「あづ」の中国アルバイト