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上海っ子AZUが早朝に見る夢の跡。


by azu-sh
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内科に行ってはみたけれど <「あづ」の「うつ」④>

 同級生だった友人の紹介で、わたしは個人医院に行ってみることにした。病院にかかる前からわたしは自分が「過敏性腸炎」ではないかと思っていた。紹介された内科クリニックは内装のセンスがよく、とても感じのいいスタッフがそろっていた。
 症状を話すと、やはり「過敏性腸炎」の可能性があると言われ、「自律神経のバランスが悪くなっているので漢方で体質を改善しましょう」とのことだった。漢方は効果が感じられるまで多少時間がかかる。それでも根本から改善できるのなら試してみても悪くないと思った。
 粉末の漢方は思っていたほど苦くもなく飲みやすかったが、体のしんどさは一向に取れなかった。あちこちの内科で検査し、受診し、薬を処方されているのに、何も変わらない。体力が底をついてきているのに、生活のため仕事だけは続けていた。毎日車を運転し、仕事に向かう。途中、何度もパーキングに寄っては体を休め、栄養ドリンクを飲んでまた車を走らせる。

 あづは「口から先に生まれてきた」と言われるほどおしゃべり好きで、学校では「もう少しゆっくり話す練習をしなさい」と指摘されるほどの早口だった。次から次に言葉が出てきて、いくらでも話題があって、みんなにおもしろい話を聞かせるのが大好きだった。でも、最近わたしの頭も口もなぜかキレが悪い。言いたいことがまとまらないし、何を言おうとしていたのかすぐ忘れてしまう。人の話を聞いていても理解するのに時間がかかる。真剣に聞いているつもりなのに、結局最後まで意味がつかめないことも多々ある。おかしい。得意だったはずのコミュニケーションが、ちっともうまくできない。こんなの人生で初めてのことだった。

 総合病院で「過労」と言われてから仕事量を減らしていたはずなのに、現実の忙しさは変わらなかった。誰かの代わりにバイトに出る、やり手のいない仕事を引き受ける、友達の用事のために車を走らせる、頼まれても断れない性格だから仕事は結局増えていく。家事もこなしていたし、家庭教師の準備もしなければならないし、外国語のレッスンにも通っていた。
 凝り固まった完璧主義を少し崩してみれば、ラクになるかもしれない。何かの雑誌を読んでそう思った。でも手抜きの仕方がわからない。

 低血圧の体は既にぼろぼろで、熟睡することもできなくなっていた。夜眠っている時、自分の寝息が聞こえるのだ。睡眠中常にかすかに意識があり、(今何時かな)と考えている。腰が痛くて体勢を変えたいと思っても、腕を上げるだけの体力がないから寝返りが打てない。
 こんな最悪の状態の時に書いていた日記がこれである。

自分から進んで物事を行い、親身になって人に接する。
時間・体力・資金を喜んで犠牲にする。仲間のために汗を流す。
心配りができ、他の人の必要によく気がつく人になりたい。     あづ

by azu-sh | 2006-04-08 23:49 | 「あづ」の「うつ」